イオンでは「夢のある未来」の実現を目指して、経営課題のアイデアを、お客さまと従業員から広く募る「イオン21キャンペーン」を、2001年から毎年続けています。
その第2回目に、「より多くの人が日々の生活の中で国際貢献と気軽に結び付けられるよう、イオンがパイプ役になってほしい(要約)」という提案が寄せられ、みごと大賞を受賞しました。イオンは「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という不変の理念を掲げています。
寄せられたご提案は、まさにこの基本理念に沿ったものでした。当時、イオンの社内でもフェアトレードへの関心が高まっていた中で、お客さまに背中を押されてのスタートでした。
さっそくイオンでは、フェアトレードの商品開発に着手。国内のNGO・NPOの活動や、欧米企業の取り組みを調査した結果、安定した生産量と需要があるコーヒーから商品化することとなりました。インドネシアやタイでフェアトレードコーヒーの栽培に長年携わってきたNGOの協力のもと、山深い生産地にも足を運び、FLO認証の内容や豆の品質などを確認。また輸出・輸入・焙煎を行う現地、国内の取引先にはフェアトレードへの理解のもと協力いただきました。
そして2004年12月、「トップバリュフェアトレードコーヒー」が発売されました。

フェアトレードコーヒーを、お客さまに「安全・安心・正直」をお約束するプライベートブランド「トップバリュ」として商品化するには、多くの課題がありました。
最初に生産地を訪れた時には、生産者組合の体制が不十分など、お客さまへ説明責任を果たせないと判断せざるを得ない状況が一部にありました。しかし、自立を強く願う生産者たちの粘り強い改善努力が続き、ついに納得できるだけの体制ができたのです。さらに、グローバルな調達を行っているイオンのノウハウを活かし、輸送などの中間コストを大幅に削減。
こうしてより多くのお客さまにご購入いただけるお手ごろな価格を実現し、ビジネスとして成り立たせる条件が整いました。「トップバリュ」として販売するためには、厳しい品質基準のクリアはもちろんですが、生産者への支援金を含めて国際相場より高い価格で仕入れることによる売価への反映を、お客さまにきちんと説明できるかどうかが問われました。納得してお買い上げいただくためには、このコーヒーがどこの国で、どんな生産者により、どのように栽培されているかをお知らせする必要があります。
そして、大手小売業による日本初のFLO認証を取得したプライベートブランド商品「トップバリュフェアトレードコーヒー」は、店頭に並ぶこととなったのです。


イオンにとって、フェアトレードへの取り組みはまだ道半ばといえます。
お客さまや従業員へのより充実した情報提供をはじめ、継続的なビジネスとして発展していくためのモデルづくりの確立、対象商品の拡大など、今後の課題が多くあります。ビジネスとして成立しなければ、フェアトレードの意義は失われるといっても過言ではありません。お客さま・生産者・企業の三者がともに納得できてこそ継続性が保たれ、生産者は経済的・社会的な自立を果たすことができるのです。
お客さまと生産者をイオンが結び、社会貢献に直結するビジネスフェアトレード。イオンはこれからも毎日お客さまと接する小売業の特長を活かし、より多くのお客さまとともに、この活動を続けていきたいと考えています。

このページは2005年12月発行「イオンマガジン」Vol.16の掲載記事をもとに作成しました。
数値、情報は当時のものです。